専用天使 (幸せになれるオリジナル小説)
専用天使
わたしの名前は彩香です。 〇〇小学校に通っています。 今からお話すること信じてもらえないかもしれませんが、それでもよかったら聞いてください。
わたしの前には、時々天使が現われます。 いつもじゃないけど、時々現われるのです。 天使は「彩香の天使」です。 わたし専用です。 なぜわかるのかって? それは順々に話しますね。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
天使から聞いたこと。
人には皆、それぞれ専用の天使がいるのだそうです。 生まれた瞬間から、天使がひとりずつつくのだそうです。 赤ちゃんの頃は皆天使の姿が見えるのですが、大きくなるにつれ見えなくなります。
神様は優しい方です。 愛のかたまりです。 天使たちは神に仕える、やはり愛に満ちた存在です。 ですから、誰でも人は皆、生まれた瞬間は愛に満ちているのです。
誰でも愛を持って生まれはするのですが、生きていくうち、いろいろなことがあって試されます。 愛が増えるたび、実は天使の数も増えるのです。 天使は愛のある場所が大好き、自然と寄ってくるのだそうです。
どうかすると、人は一時的に愛を失います。 というか、愛するということを忘れてしまうのです。 愛のかわりに憎しみが多くなると、天使はこわがって萎縮してしまいます。 二人いた天使が一人になってしまうこともあります。
それでも、生まれた時からのおつきあいの天使だけは残っています。 神様から頼まれたから、律儀にもずっとその人のそばに寄り添っているのです。 ずっとです。 一時も離れずにです。
たとえば、あなたの心が悲しみに震えているとします。 涙をこらえて家路を急いでいるとします。 その時ふと、気持ちのよい風が通り抜けたとします。 一瞬だけ、心が安らいだとします。
それは、あなた専用の天使が、あなたをいっしょうけんめい慰めようとしているからなのです。 天使の力は万能ではないけれど、少なくともあなたの応援はできます。 専用の応援団のようなものですね。 いっしょうけんめい、応援の旗を振ってくれているのです。
たとえば、あなたが悩んでいる時、突然 友達が誘ってくれて、悩みを聞いてくれたとします。 まあ解決には及ばないけれど、ほんの少しの間、気分転換ができたとします。
これは偶然ではなく、天使のおかげなのです。 友達とあなたの縁を設定してくれたのです。
あなたには見えないけれど、天使はあなたが幸せに健やかに生きられるよう、奔走してくれています。 なんの見返りも期待せずに。
天使はあなたに感謝されなくても、気づかれなくても文句はいいません。 愛に満ちた存在だから、そんなことは気にしないのです。
あなたは多分、無意識に呼吸していますよね。 内蔵の働きのことなど考えませんよね。 でも、あなた専用の天使は、あなたの内臓がうまく機能するよう、常に気を配ってくれているのです。
では、なぜ病気になったり、早く亡くなったりするのか?と疑問に思うかもしれませんね。 天使は先ほどもいったように万能ではありません。 それでも、できる範囲で自分の担当した人のことを見守り続けます。
子どものうちに天国に召されると、気の毒にと思ってしまいますよね。 でもそれは天使の力が弱かったせいではありません。 短い間でも、その魂はこの世で十分学びました。 短期間に値する、立派な魂だったのです。
あくまでこの世での生命は短かったけれど、見えない世界に戻ってから、きっとその子は幸せに暮らせることでしょう。 その新しい地で、神様がたくさんのご褒美をくれることでしょう。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
と、ここまでがわたし彩香が12歳の時に、天使から聞いたお話です。 ノートに書き留めましたが、今まで勇気がなくて誰にも見せませんでした。
わたしはもう大人になりました。 去年結婚して、今お腹に子どもがいます。 来年の春、出産予定です。 大人になってから、残念ながら天使は現われなくなりました。
でもわたしにはわかります。 感じることができるのです。 存在を。 だから何も怖くありません。 ただ天使を悲しませないよう、愛を持って生きているだけです。
子どもが生まれたら、きっとその子にも天使が見えるのでしょうね。 わたしみたいに、お話を聞くことができるかもしれません。
生まれてくるわたしの子。 そしてどこのうちの子供も。 そして天使が見えなくなってしまった大人たちも。 どうか覚えていてください。
あなたは愛に満ちた存在として生まれてきました。 あなたにもいます。 専属天使が。 そしてその天使は、愛のある場所が大好きです。
~おしまい~
読んでくれてありがとう。 他のお話も読みたいという方は、こちらもどうぞ!
わたしの名前は彩香です。 〇〇小学校に通っています。 今からお話すること信じてもらえないかもしれませんが、それでもよかったら聞いてください。
わたしの前には、時々天使が現われます。 いつもじゃないけど、時々現われるのです。 天使は「彩香の天使」です。 わたし専用です。 なぜわかるのかって? それは順々に話しますね。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
天使から聞いたこと。
人には皆、それぞれ専用の天使がいるのだそうです。 生まれた瞬間から、天使がひとりずつつくのだそうです。 赤ちゃんの頃は皆天使の姿が見えるのですが、大きくなるにつれ見えなくなります。
神様は優しい方です。 愛のかたまりです。 天使たちは神に仕える、やはり愛に満ちた存在です。 ですから、誰でも人は皆、生まれた瞬間は愛に満ちているのです。
誰でも愛を持って生まれはするのですが、生きていくうち、いろいろなことがあって試されます。 愛が増えるたび、実は天使の数も増えるのです。 天使は愛のある場所が大好き、自然と寄ってくるのだそうです。
どうかすると、人は一時的に愛を失います。 というか、愛するということを忘れてしまうのです。 愛のかわりに憎しみが多くなると、天使はこわがって萎縮してしまいます。 二人いた天使が一人になってしまうこともあります。
それでも、生まれた時からのおつきあいの天使だけは残っています。 神様から頼まれたから、律儀にもずっとその人のそばに寄り添っているのです。 ずっとです。 一時も離れずにです。
たとえば、あなたの心が悲しみに震えているとします。 涙をこらえて家路を急いでいるとします。 その時ふと、気持ちのよい風が通り抜けたとします。 一瞬だけ、心が安らいだとします。
それは、あなた専用の天使が、あなたをいっしょうけんめい慰めようとしているからなのです。 天使の力は万能ではないけれど、少なくともあなたの応援はできます。 専用の応援団のようなものですね。 いっしょうけんめい、応援の旗を振ってくれているのです。
たとえば、あなたが悩んでいる時、突然 友達が誘ってくれて、悩みを聞いてくれたとします。 まあ解決には及ばないけれど、ほんの少しの間、気分転換ができたとします。
これは偶然ではなく、天使のおかげなのです。 友達とあなたの縁を設定してくれたのです。
あなたには見えないけれど、天使はあなたが幸せに健やかに生きられるよう、奔走してくれています。 なんの見返りも期待せずに。
天使はあなたに感謝されなくても、気づかれなくても文句はいいません。 愛に満ちた存在だから、そんなことは気にしないのです。
あなたは多分、無意識に呼吸していますよね。 内蔵の働きのことなど考えませんよね。 でも、あなた専用の天使は、あなたの内臓がうまく機能するよう、常に気を配ってくれているのです。
では、なぜ病気になったり、早く亡くなったりするのか?と疑問に思うかもしれませんね。 天使は先ほどもいったように万能ではありません。 それでも、できる範囲で自分の担当した人のことを見守り続けます。
子どものうちに天国に召されると、気の毒にと思ってしまいますよね。 でもそれは天使の力が弱かったせいではありません。 短い間でも、その魂はこの世で十分学びました。 短期間に値する、立派な魂だったのです。
あくまでこの世での生命は短かったけれど、見えない世界に戻ってから、きっとその子は幸せに暮らせることでしょう。 その新しい地で、神様がたくさんのご褒美をくれることでしょう。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
と、ここまでがわたし彩香が12歳の時に、天使から聞いたお話です。 ノートに書き留めましたが、今まで勇気がなくて誰にも見せませんでした。
わたしはもう大人になりました。 去年結婚して、今お腹に子どもがいます。 来年の春、出産予定です。 大人になってから、残念ながら天使は現われなくなりました。
でもわたしにはわかります。 感じることができるのです。 存在を。 だから何も怖くありません。 ただ天使を悲しませないよう、愛を持って生きているだけです。
子どもが生まれたら、きっとその子にも天使が見えるのでしょうね。 わたしみたいに、お話を聞くことができるかもしれません。
生まれてくるわたしの子。 そしてどこのうちの子供も。 そして天使が見えなくなってしまった大人たちも。 どうか覚えていてください。
あなたは愛に満ちた存在として生まれてきました。 あなたにもいます。 専属天使が。 そしてその天使は、愛のある場所が大好きです。
~おしまい~
読んでくれてありがとう。 他のお話も読みたいという方は、こちらもどうぞ!