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ゆっくりブログ (AC癒しのメッセージ)

アダルトチルドレン(AC)として悩んできた私、ときどき鬱症状が出てしまう私が思う 癒し・幸せについて。オリジナルの言葉で発信していきます

カナダ遠征合唱団(幸せになれるオリジナル小説)

カナダ遠征合唱団



リジーはカナダのある街の、小さな銀行に勤めています。 気のいい同僚たちに囲まれて、まずまずの日々を送っていました。 

ある日のこと、普段はそうお客の多くない支店なのですが、この日ばかりは違っていました。 アメリカから団体客が来たのです。 お客といっても大人ではなく、そのほとんどが高校生でした。 両替に来たのです。

リジーや同僚たちはいつもと変わらず、にこやかに応対しました。 



すべての両替が済んだ時のことです。 お客さんの中で唯一の大人である、引率の先生らしき人がリジーにこんなことをいってきました。

「この銀行の方は皆、親切ですね。 すばらしいです。 私達はアメリカの〇〇州から来た合唱団です。 この子たちは皆、高校生なんです。 カナダへ遠征に来ましてね。 明日がコンクール本番なんです」

「そうですか。 成功をお祈りしますね」

するとその先生は、さらにこんなことをいい出したのです。

「皆さんが親切にしてくれたので、お礼がしたいのですが・・・ もしよかったら、お礼に歌を歌いますので聴いていただけますか?」



ふと見ると、先生の後ろにいる高校生たちも目を輝かせています。 リジーが少し困惑していると、たまたま近くにいた支店長がかわりに答えてくれました。

「ぜひ聴かせてください。 お願いします」



許可をもらった合唱団は、あっという間にいつものような配列で並びました。 指揮者は先生です。 

仕事をしていた銀行員たちも思わず手を止めました。 他のお客さん達も聴く体勢に入っています。



指揮に合わせて、彼らは歌い出しました。 それは天使のように、美しい歌声でした。 

コンサート会場に早がわりした店内。 高い天井の効果もあり、美しいハーモニーが高らかに響き渡りました。

歌が終わると、銀行員もお客さんも思い切り、手を叩いていました。 拍手は鳴り止まず、やがて「アンコール アンコール!」と叫ぶ人まで現われました。

そこで合唱団は、もう一曲歌いました。 歌い終わると、人々は再び熱い拍手を送りました。 皆、幸せでした。 歌った側も聴いた側も。 

ほんの10分程度のできごとです。 でも彼らが帰った後も、その銀行にはいつまでも”幸せの余韻”が残っていました。 



リジーは人のいい女性です。 この話を自分だけの胸にしまっておくのではなく、家族や友人にも話そうと思いました。 

とりあえず帰ったら、今日本からホームステイに来ている学生に話してあげようと考えました。

リジーが帰宅すると、一足先に帰っていた日本人学生がリビングにやってきたところでした。

そこでリジーは話し始めました。

「今日はとってもいいことがあったの。 いつものようにお客さんの応対をしていたらね・・・」



ー 音楽は人を幸せにします。 でも特に、愛と優しさと心のこもった音楽は、人をより幸せにするのです -

ー 幸せは分け与えると倍増します。 幸せの度合いも増えていくのです 



~おしまい~


読んでくれてありがとう。 他のお話も読みたいという方は、こちらもどうぞ!



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