やさしくしてほしい 

みんなほんとは

気にかけてほしい

やさしくしてほしい

遠くで見ているだけじゃ

わからないから

気にかけてるよって

教えてほしい

人はちっちゃい生き物だから

人はさびしがりの生き物だから

はっきりした愛を見たいんだ

みんなほんとは

気にかけてほしい

みんなほんとは

やさしくしてほしい





ヒロ君の幸せの道具箱(幸せになれるオリジナル小説)

ヒロ君の幸せの道具箱



ええー本日は、わが社20周年記念パーティーにようこそお越しくださいました。 小さな会社ながら、この時代に生き残って来れましたのも皆さんのおかげです。 心より感謝いたします。

ところで私も堅苦しい話は苦手なものですから、今日は取っておきの思い出話でもしてみますか。 

このことは今日、はじめて白状しちゃいますがね、私は子供の頃、親もあきれるほど出来の悪い子だったんですよ。 得意科目なんてありゃしない。 算数も国語も体育も。 全然ダメでしたね。 

性格も暗くてね。 臆病で年中、ビクビクしてて、ろくに人と目も合わせられなくて。 えっ 今の私からは想像もつかないって? まぁ、性格自体はそう変化したとは思いませんが、ちょっとしたきっかけから、人生が上向いてきたんですよ。

あれは小学5年生の夏休みでした。 親が私の成績を見て困り果てましてね。 塾にも行かされましたが、授業についていけないんですよ。 親は途方に暮れてしまいました。

うちはその頃、たまたま、遠縁に当たる学生さんを下宿させてましてね。 これがまた気持ちのいい若者でね。 この学生さんが私の家庭教師を引き受けてくれることになったんです。

親は多くを期待はしてませんでした。 せめて大人になって困らない程度になってくれればと。 

その学生さんは、うちでは”お兄ちゃん”と呼ばれてました。 夏休みのある日から、お兄ちゃんが私の先生になったんです。

私は勉強ができないだけじゃなくて、人とのコミュニケーションも苦手だったんですね。 相手がやさしいお兄ちゃんとはいえ、もう緊張しちゃいましてね。 今にも泣き出しそうだったのを覚えてますよ。

最初の日、お兄ちゃんは私の学力を調べるべく、国語の教科書を読ませたんですね。 ところが緊張したのと漢字がわからないのとで、ひどいありさまでした。 声も手も震え、一年生並みのたどたどしい読み方で情けなかったですね。

ところがですね、お兄ちゃんはなんと、こう言ったんです。 にこにこしながら。

「ヒロ君(これが私のニックネームでした)はいい声してるねえ」

意外な言葉に私は困惑しました。 顔が真っ赤になってしまいました。 生まれてこの方、いい声してるなんて言われたことありませんでしたから。 お兄ちゃんは、私がろくに漢字も読めなかったことには触れませんでした。

そして次に書き取りをしたのですが、これがまたひどくてね。 簡単な漢字もろくに書けませんでしたね。 われながら、ひどかったですよ。 

でもお兄ちゃんは、今度はこんなことを言うのです。

「いい字だねえ。 やさしい性格が出てる。 とってもいい字だ」

私はまたまた困惑してしまいました。 私の字は決して上手ではなかったですからね。

こんな具合に、お兄ちゃんはどんな時も必ず、ほめてくれるんです。 ほめるところなんかないはずなのに。 

日ごろ、親や先生にダメな子だ、もっとやる気を出しなさい、そんなんじゃ大人になったとき困るよ、そんなことばかり言われてきたんですから。

子どもだったからなのか、不思議とお兄ちゃんに言われると、本当のことのような気がしてくるんですよね。 案外、いい声してるのかも知れないな、字も意外と上手かも知れない。

こうなると、もっとほめられたいと思うようになりましてね。 意識的にはっきりした、大きめの声でしゃべるようになりました。 また字もていねいに書くようになったんです。

ある時、勉強のことで母に怒られてメソメソしていたら、お兄ちゃんがたまたまやって来ましてね。 

「ヒロ君はやさしい子だねぇ」

というんです。 なんでかといったら、お母さんに口答えしたり逆らったりする子が多いのに、ヒロ君は真剣に受け止めている。 やさしい子だからだよというんです。

今までは、5年生にもなって、それも男の子なのに泣いてばかりでみっともないと。 そう言われてきたのに。 お兄ちゃんに言われてから、もしかしたら自分はやさしいのかも知れない。 よし、もっともっと人にやさしくしようと思うようになりました。

そんなこんなで、お兄ちゃんに勉強を教えてもらうことが楽しくなってきたんですね。 ところが、ここまで学力がないと、そう簡単には上がらないもんですね。 2学期の成績表を見た親はため息をついて

「せっかくお兄ちゃんに教わってるのに、ほとんど変わりないじゃない。 本当に出来の悪い子だねぇ」と言うのです。

成績表を見ると、算数がかろうじて2になっただけで、あとは1のまんまでした。 これじゃあ、多分クラスでビリでしょうね。

お兄ちゃんに見せるのが辛かったですね。 それでも親に促されて、成績表を見せました。 するとお兄ちゃんはこんなことを言ってくれたんです。

「よく、がんばったね。 算数が2になったじゃないか。 すごいよ。 おや? 字もていねいになったって書いてあるね。 よかったね」

お兄ちゃんにやさしくされればされるほど、切なくなって、私は思わずわっと泣き出してしまいました。 今までためてきた感情が爆発したんです。

「がんばってなんかいないよ。 前とおんなじビリだもん。 ぼくは頭が悪いんだ。 いくらやってもダメなんだ。 ダメなんだよ!」

するとお兄ちゃんは私の両肩をやさしく抑えて、こんなことを話してくれたのです。 ここからです、私のお話したかったことは。

今でもよーく覚えています。 皆さんにもおすそ分けしたいので、思い出しながら話しますから、聞いていてくださいね。

「ヒロ君はなぜ生まれてきたと思う? 悲しむためかな? そうじゃないよね。 幸せになるために生まれてきたんだよ。 おかしな話と思うかも知れないけど、辛抱して聞いてほしい。 僕はこんな風に考えるんだ。 人は皆、生まれてくるとき、幸せの道具箱を持って生まれてくるんだって。

目には見えないけれど、生まれる前に神様からプレゼントされるんだ。 幸せの道具箱はね、すごい箱なんだよ。 中に、幸せになるための道具がたっくさん入ってるんだ。 ヒロ君も持ってるんだよ。

だけど生きてるうち辛いことがあったりすると、人は忘れてしまうのさ。 道具箱の存在をね。 すごく小さな頃は、無意識にそれを使って楽しく生きてる。 だけど大きくなるにつれて忘れてしまうんだ。

幸せの道具箱を持っていても、使わなければなんにもならない。 あと、他人がそれに気づいても、本人が気づかなければだめなんだ。 幸せの道具箱は、本人でなければ使えない。 その人だけのものだから。

詳しく教えてあげたいけど、それはヒロ君のためにならない。 だけど一個だけ教えようか? 特別サービスだよ。 ヒロ君の道具箱の中には、きれいな涙を流す道具が入ってる。 

心に強いものを感じると、人は涙というものを流すんだけど、心に強く感じない人もいる。 涙をほとんど流さない人もいる。 ヒロ君は心に強く感じやすいという特徴があるんだ。 いいことなんだよ。 きれいな涙を流すのは。 

感じるのはすばらしい人間だからなのさ。 やさしいからなんだ。 愛がたっぷりあるからなんだ。 愛と涙はつながってるんだよ。 

他にもたくさん、道具箱には幸せになれるものが入ってる。 今はただ、そういうものがあるって思ってるだけでいいからね。 でもこれは、いつかきっと役に立つよ。 

人は皆、幸せの道具箱を持って生まれてくる。 道具箱を持っていることを意識しよう。 決してこのことを忘れないで。 忘れないでいさえすれば、いつかばっちり道具を使えるからね」

こんな話だったと思います。 お兄ちゃんは次の年、卒業して故郷へ帰りました。 

でも、私は決して忘れませんでした。 幸せの道具箱のこと。 常にイメージしてきました。 

幸せの道具箱のイメージは、やがて工具箱のイメージに変わり、私は電気関係の仕事に就きました。 

そして・・・皆さんもご存知の通り、あんなに臆病で出来の悪かった私が、こうして小さいながら、皆さんにかわいがっていただける会社を経営するまでになりました。

皆さんも忘れないでください。 どんな人も、幸せになれる道具箱を持って生まれてきたってことを。 

お話聞いてくれてありがとうございました。  さぁ、あとは無礼講。  テーブルにいろいろ用意いたしましたので、たくさん食べてってください。


~おしまい~


読んでくれてありがとう。 他のお話も読みたいという方は、こちらもどうぞ!





ほっとする言葉 

ゆっくりでいいよとか

無理しないでねって

いわれるとほっとする


ゆっくりしかできないし

無理すると

こわれちゃうから


早くしてとか

もっとがんばれって

いわれるとつらい


これでも

がんばってるつもり

どうしろっていうの


ゆっくりでいいよとか

無理しないでねって

いわれるとほっとする


いちばん ほっとする
 







さびしくなる 


さびしくなる瞬間がある

自分以外のみんなが

楽しそうに笑ってる気がして

ポッツンと置いてかれたような気がして


さびしくなる瞬間がある

毎日の生活の

どこか何かが足りない気がして

今までの人生探し続けてる気がして


空や花やそよ風に

なぐさめられてはっと気づく

さびしくてもいいんだよ

さびしくてもだいじょうぶって


さびしくなる瞬間さえ

感謝に変えて

今日も明日も乗り切ろう

さびしくてもだいじょうぶ







その同僚 (幸せになれるオリジナル小説)

その同僚


来る日も来る日もPCの前に座り、眉間にシワを寄せてひたすら働き続けていたある日。 そいつは突然、現われた。 こんな姿をせせら笑うように、やつは突然、現われたのだ。

見たことのない男だった。 同じ課にこんなやつはいない。 妙になれなれしい。 一体誰なんだ? 仕事中に遠慮なく話しかけてくるそいつに、俺は相当苛立っていた。

誰だ? あ、そうか。 営業一課に入ったやつだな。 最近、転職してきた30代の男ってこいつだな。 そう思った俺は苛立ちながらも聞いてみた。

「あんた営業一課の新入りかい?」

「まぁ、そう思ってくれてもいいよ。 それより、最近のあんたちょっとイライラしすぎじゃない? ってかそれって、やっぱあの無能な上司のせい?」

なんだこいつは。 こんな場所で堂々と。 というより、なんでそんなこと知ってるんだ?

「おい、バカなことをいうな。 第一、まわりに聞こえるじゃないか」

「心配すんな。 バカ上司は出張中だし、他の連中は人のことなんか眼中にないから。 それにしても上司とは名ばかり。 給料泥棒もいいところだな。 同期たちも調子ばっかよくて、実力ないくせに出世が早いしな。 ったく、転職でもしたいが、この時代、同じ給料で雇ってくれる会社なんかあり得ない。 そうだろ?」

よくまぁ、ベラベラしゃべるものだ。 それも仕事中に。 新入りのくせに仕事さぼって、よその課に来てしゃべりまくり。 なんなんだ、こいつは。 

だがこのおしゃべりな新入りの同僚は、これで諦めなかった。 やつは年がら年中、俺の前に顔を出すようになったのだ。 たとえばトイレに行くとやつがいる。

そして他の連中の悪口を言ったり、会社の行く末を案じたり。 とんでもない新入りだが、不思議と俺の見解と一致している。 確かにやつの言うとおりなのだ。

俺の不満もズバリ言い当ててる。 入ったばかりで、しかもよその課。 なのになぜだか俺の思っていることを知ってる。 気持ちの悪いやつだ。 

俺も俺だ。 この変てこな環境に慣れつつある。 ある晩のこと、上司のことで腹を立てた俺は、ひとりで飲みに来た。 わかってくれる同僚なんていやしない、ひとりの方が落ち着く。

ひとりでチビチビやってると、なんとあいつがやってきたのだ。 ストーカーでもあるまいし。 なんだってここがわかったんだ。 

「つけてきたのか? 気持ち悪いことすんなよ」

「まさか。 そこまで暇じゃないよ。 おたくの課の、ほれなんて言ったっけ。 あんたと同期の。 彼が言ってたのさ。 あいつならどうせ一人で飲みに行ってるんだろう、なぐさめに行ってやったら?って。 場所もちゃんと教えてくれたんでね、来てみたってわけさ」

俺は新入りよりも同期にムカついた。 俺が飲みに行くとしたらこの店くらいしかないって、知ってやがる。 上から見下ろしてるんだ。 嫌なヤツだ。

で、この後どうしたかって? 結局、そいつと飲み明かしたさ。 やつはグチを聞いてくれたし、俺が言いたかったこともズバリ言ってくれた。
不思議とスッキリしたね。 認めたくないけど事実だ。

酔いすぎていたので、それからのことは覚えていない。 翌日、頭が痛かったから二日酔いになったことは間違いない。 やつとどう別れたかも覚えてない。

もともと俺は社交的な方じゃない。 会社ではそれなりに振舞ってるけど、本当の俺は違う。 プライベートだけはしっかり守りたい。 会社から一歩出たら、その後の時間は俺のものだ。 誰にもじゃまされたくない。

その日、いつものように一人暮らしのマンションに帰ってきて、鍵をあけようとすると・・・人の気配を感じた。 やつだ。 いつの間にか、やつがすぐ後ろにいる。

「おいおい。 いくらなんでも図々しいじゃないか。 家にまで着いてくるなんて! そこまではお断りだ」

さすがの俺も強く出た。 やつは何もいわずにニヤニヤしている。

俺がドアをあけると、なんということだ。 やつはあっという間に家に上がりこんできたではないか! 頭に来た俺の表情を見たそいつはこう言った。

「そろそろ俺の正体を知りたいんじゃないのか?」

「正体? おまえは営業一課の新入りだろ? 違うのか?」

「答を教えてやるよ。 こっちに来ればすぐわかるさ」

俺は暗示にでもかかったかのようにおとなしく、やつの後ろについていった。 俺の家だというのに。 洗面所まで連れていかれた俺は・・・その瞬間、すべてを悟った。

この時の俺の驚き、あなたは想像つくだろうか?

洗面所の大きな鏡。 そこに映ったのは、そう、俺自身。 俺自身以外の何者でもない。 そこには俺しかいなかった。

そう、心の奥ではわかっていたんだ。 

俺の言いたいことを代わりに言ってくれていた”あいつ”は、”もう一人の俺”だったのだ。

俺は手を洗い何事もなかったかのようにキッチンに向かった。 冷蔵庫をあけて缶ビールを取り出す。 お疲れさまの一杯は何ものにも変えられないほどうまい。

ところで、もしある日突然、あなたのすぐ横に ”もう一人のあなた”が現われたら思い出してほしい。 この奇妙な話を。


~おしまい~



読んでくれてありがとう。 他のお話も読みたいという方は、こちらもどうぞ!



疲れ 


疲れは教えてくれる

そろそろ休んだら?って

このままじゃいけないよって



疲れは教えてくれる

自分を大切にしなよって

そろそろその時期だよって


疲れは教えてくれる

よくやってきたよって

がんばってきたねって



疲れは教えてくれる

メッセージをくれる







重要なこと 


重要なことは楽しく生きるということ

今はそれどころじゃなくても

今は想像すらできなくても

いつかきっと楽しく生きるということ

それができると信じること


重要なことは楽しく生きるということ

今がどんな状態でも

今が辛さの連続でも

いつかきっと楽しく生きるということ

それができると信じること


信じて信じて

信じ続けること
 





GO TOP