旅人と教会


荘厳な鐘の音(ね)に

なぜか心ざわついて


疲れきった旅人は

重い扉をそっと押す


山間の小さな教会は

どこか厳しく凛として


湿気った木のにおいだけが

異国の旅人を迎え入れる


得体の知れない感覚と

認めたくない寂寥感


旅人は早々に祈りを終え

重い扉を再び押す


二度と振り返ることもなく

古びた教会を後にする


旅人は気づいていない

150年前にも来ていたこと


この地に生きていたことに

旅人は決して気づかない



ゆっくりさん


急ぐことないから

ゆっくりさんで行こ


競争することないから

ゆっくりさんで行こ


穏やかな気持ちのまんま

ゆっくりさんで行こ


時には笑いながら

ゆっくりさんで行こ


花や木や空を見ながら

ゆっくりさんで行こ


人生ぼちぼち味わって

ゆっくりさんで行こ